バークリー音楽院留学直前。
名言「初心忘るべからず」を英訳しようと、辞書を引く私。
そこには
”Don't forget your original intentions”
とあった。(ちなみに、今でもそう)
「そうか、よっしゃ!」と、英語がまったくわからない私は、当時のメインギターであった
アイバニーズのとんがりヘッドに
「Don't forget your original intentions!」
とマジックで書きこんだ。
余談だが、アイバニーズはエレキのきっかけとなったポール・ギルバート氏の影響。
氏のモデルは量販されていたが、○○モデルにはまったく興味がなかったので
雑誌・ヤングギターから気に入った写真を選び、安物をそっくりにカスタムしていった。
真っ赤なボディ、ピックアップはハムーシングルーハムでもちろんピンク。
ボリューム&トーンはショッキングイエロー、フロイドローズなんて基礎中の基礎。
シールをベタベタ貼ったりと、とにかく若かった。
その愛機とともに海を渡り、憧れたアメリカへ。
ジャズの名門、バークリーで、そんなギターを持っているものなどいなかった。
それが当時の私にとってはものすごく気持ちよかった。
注目も集めた!
仲の良かったアメリカ育ちの日本人は
「ああ、初心忘るべからず、っすね~」
いける。こいつは世界で通用するぞ。
そんなある日、リハ待ちで廊下に座り弾いていたところ、ヘッドを凝視する白人さんが。
「(よしよし、もっと注目してくれ!)」
しかし彼の口から出た英語は、私にも十分理解できるものだった。
「それ、どういう意味??」
・・・
「日本語で、初心忘るべからずって意味さ」
なんてどう考えても説明できず、
「えっ!?ええー!??」
激しくパニック、動揺している間に、その方はどこかへ消えてしまいました。
ChatGPTをはじめ、様々なAIが台頭する昨今。
エンターキーを押した結果を過信せず、文化的背景とともに言語体得することが重要なのです。。
ワサビ
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